【ダイフレンチリキッド】革靴の染め替え/パティーヌをしてみよう

履き心地や靴のフォルムがとても気に入っているけど、色がちょっと合わせづらくて履く機会が少ないんだよな。。。という靴をお持ちの方いらっしゃいますか?
この靴の色沢山持ってるから他の色にしたいんだよな。。。という靴をお持ちの方いらっしゃいますか?

私もたまにハマる状況。今回は靴の染め替えを行いましたので、ご紹介させていただきます。

前置きが長いので、作業を見たい方は目次内の『実際にやってみる』から見てもらえればと思います。

目次

染め替え/パティーヌとは?

靴を染め変えるとは文字通り、靴の色を『染めて変える』ことです。
靴クリームで徐々に色を濃くしていく。。とか無色のクリームで色を抜いていく。。とは別で、その作業一つで一気に色が変わります。溶剤、精油、顔料、および染料を塗布しながら、皮革の着色および漂白を行うことです。

染め変えることですが、パティーヌとも呼ばれます。

パティーヌ(patine)とは、フランス語で「錆(サビ)」の意味とのことです。同じ呼び方・意味で「パティーナ(patina)」とも表記されるが、その場合はラテン語で「経年変化の味わい」という意味になります。
また、色を幾重にも重ねて色彩を表現する、伝統的な革の染色技法のことを「パティーヌ仕上げ」と呼ぶ。色を重ねることによってできる透明感のある仕上がりや、使い込まれたような独特な色ムラが魅力です。1980年代にフランスの高級紳士靴ブランド「ベルルッティ(Berluti)」により確立された革の着色、染色加工方法と言われています。

今回染め変える靴

今回染め変える靴はこちら!
Berwick 1707のタッセルローファーです。(モデル名:4340)
編み込みがかわいらしいタッセルローファーですね。

画像だとミディアムブラウンに見えますが、実物はもう少しグレー気味という感じです。個人的に仕事でガシガシ使いたいということもあり、濃いめのダークブラウンにしたいと前から考えていました。

使用するもの

染め替えに使用する基本的な道具はこちらです

  • 染料:ダイフレンチリキッド(サフィール)
  • メラミンスポンジ(必要あれば)
  • 筆(必要あれば)
  • 受け皿
  • ゴム手袋
  • マット
  • その他ケア用品(クリーナーやクリーム等)

染料に関しては、サフィールのダイフレンチリキッドという道具を使います。カラーバリエーションも豊富ですし、何よりシューケアメーカーということで私のような素人でも安心感があります。
個人的に染め替えは薄い色ほどプロに依頼するのが絶対にいいと考えています。理由は単純に難しいからです。まじで。過去に何回か染め替えをしたことがあるのですが、ミディアムブラウンとかムラになりすぎてめちゃくちゃ難しくて失敗しました。
個人的に失敗した要素としては
①色を抜くこと
②色を入れること
だと思っています。
当たり前じゃんと思われそうですが、この単純なことが本当に難しくて。
以前、山形県の靴磨き屋さん『DOEK』さんに伺った際にちょうどパティーヌするという靴を見せてもらったのですが、色抜きまくっていて真っ白になっていました。もともと黒い靴だったようでそれが真っ白になっていたのがまず驚き。なんでも黒い靴をミディアムブラウンくらいにするとかで。いや、濃い色から明るい色にするとか絶対無理じゃんと思っていたのですがあれだけ白くできれば可能なのかと驚きました。実際、後日インスタを見たらマジで変わっていました。そのときに本当に失敗したくない靴はプロに任せるべきと強く思いました。
※知らない方の靴ですし、DOEKの櫻井さんに許可もとっていないので写真は載せられませんが、本当にすごかったです。いつか私の靴も染め替えたくなったらぜひお願いしたい。

染料について

染料には大きく分けて水性とアルコール性の2種類があります。

水性染料
アルコール性染料
  • 主な製品:クラフト染料、ローパスチック
  • 染料の染み込みが深すぎないため、鮮やかな色の表現に向いている
  • 耐水・耐光性がアルコール性に比べ、低い
  • 混色すると濁りやすい
  • 主な製品:ダイフレンチリキッド、スピラン
  • 染料の染み込みが深いため、深みのある色の表現に向いている
  • 染み込みが深いため、革への負担が大きい
  • 耐水・耐光性が水性に比べ、高い
  • 混色が可能

革靴は汚れ落としをするケアが多いため、色落ちのリスクが低いアルコール性の染料を個人的にはおすすめします。
アルコール性染料でも、染めた直後から何度か靴磨きをしていれば大なり小なり色は落ちてきますし、ある意味持ち主がどう育てたいかでケアの方法が変わってくる(クリーナーをどの程度かけるか、ワックスをかけるか、無色 or 有色のクリームで育てるのか)部分ではありますが、革靴の環境上、アルコール性が向いていると考えています。

実際にやってみる

まずはクリーナーで汚れ落としをしていきます。
この際、色素や水分もできる範囲で落としていきます。
今回使ったクリーナーは
①THE CREANER(Brift H)
②WAXクリーナー(MMOWBRAY)
③TWO FACE LOTIOAN(Boot Black)
です。
場合によってはレノマットリムーバー(SAPHIR)を使う時もあります。
上記のクリーナーをした後、水分をなるべく飛ばしてからっからの状態にするため1日放置します。

汚れ落とし前:正面
汚れ落とし後:正面
汚れ落とし前:ななめ
汚れ落とし後:ななめ

作業後の方がかなり白っちゃけているのがお分かりいただけるでしょうか?
また靴に触ってみるとかなり乾燥しているのがわかります。

この乾燥している状態だと染料をぐんぐん吸い込んでくれるので早速染めていきましょう。
ダイフレンチリキッドの中に入っているポンポンに染料を染み込ませて塗っていきます。

このポンポンで全部やってもいいのですが、今回はメラミンスポンジを使って染めていきます。メラミンスポンジに染料を少しつけて表面を軽くなでて染めていきます。
表面を少しやすることで染料を深く入れることが可能になります。ただ、これは平たく言うとアッパーを傷つける方法なのでやりすぎもよくないですし、黒とかならポンポンでやっても十分染まると思いますので、見極めが難しいと思います。(プロに任せるのが一番です!)
一定方向にさっと塗るだけでも十分色は入ると思います。もし、入らない場合はいったん乾かしてからもう一度塗る方が色も入るし、革へのダメージも最小限で済むと思います。

片足だけ全体に塗ってみました。
ムラになるのを怖れて2周染料を入れました。

もう片方も同様に塗りました。

一晩放置すると、色が薄くなりましたね!
そして見るからに革が革書き散らかしています!

まずは水分補給でモウブレイのリッチデリケートクリームを塗りました。
シミになりづらいというのと、水分量が多めということで!

デリケートクリームを入れたら艶が出たものの、思いのほかタバコブラウンの赤みが強く出たため、溶剤少なめといわれるTHE CREAMEのネイビーを入れていきます!

少しは赤みがおさまりましたね!

ネイビーを入れた方が赤みがおさまっていますね

その後、もう少し赤みを抑えたかったので黒のクリームを入れてこのようになり完成です!

最初の状態から比べるとこんな感じです

なかなかいい感じに染まってくれたと個人的には満足しています。
今後ケアしていく中で染料が落ちたり、クリームでもう少し色の調整をしたりする中でどのように育っていくのか楽しみです!

まとめ

パティーヌというとハードルが上がるように見えますが、黒やダークブラウン等の濃い色であれば素人にもできることはあります。それでもムラが目立ちづらいという意味ではありますが。。
ただ、これもまた愛着が沸くポイントの一つでもありますし、興味がある方はぜひ挑戦してみてください!

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この記事を書いた人

岩手県在住30代おじさんの私、ちゃんぷの趣味である革靴/靴磨きを中心としたブログです。
『おれがチャンピオンだぜ!』という意味で『ちゃんぷ』と名乗っているわけでは決してなく、昔私の本名を誤訳してつけられたあだ名を気に入ってそのまま使っています。

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